特定社会保険労務士の福岡でございます。今年も残り3か月を経過していようとしています。昨年からのコロナ禍において肉体的にも精神的にも厳しい日々をお過ごしのことと思います。どうかご自身のお体を大切になさってください。今回は介護労働安定センターによる同調査の概要をおまとめします。介護業界では他産業と比較して低水準であり処遇の改善に向けて底上げの施策を実施しています。一昨年10月からスタートした、特定処遇改善加算もその一つです。
特定処遇改善加算創設の経緯
介護人材確保のための取組をより一層進めるため、経験・技能のある職員に重点化を図りながら、介護職員の更なる処遇改善を進める。具体的には、他の介護職員などの処遇改善にこの処遇改善の収入を充てることができるよう「柔軟な運用を認める」ことを前提に、介護サービス事業所における勤続年数 10 年以上の介護福祉士について月額平均8万円相当の処遇改善を行うことを算定根拠に、公費1000億円程度を投じ、処遇改善を行う。」とされ、2019年10月の消費税率引上げに伴う介護報酬改定において対応することとされたところである。 今般、これを受けて、2019年度の介護報酬改定において、介護職員等特定処遇改善加算(以下「特定加算」という。)を創設することとしたところである。と記載されています。
より抜粋
令和2年9月分として支給された所定内賃金(※)は、月給者・時間給者・日給者ともに前年との比較でいずれもアップしているようです。
※所定内賃金は、令和2年9月分として支給された実績額の平均であり、交通費を含めた額面額を指します。
地域ブロック別における所定内賃金は、最低賃金も関係しているため意見が分かれるところと思うが、東京都はやはり高い結果として出ていますね。ちなみに、令和3年度地域別最低賃金改定状況もしっかりと確認してくださいね。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/
処遇改善加算に伴う対応としては、
①諸手当の導入・引き上げ、
②基本給の引き上げ、
③一時金の支給がトップ3、
特定処遇改善加算に伴う対応としては、
①職員全体の改善、
②経験・技能のある介護職員の処遇改善、
③職員全体の処遇改善がトップ3となっています。
さらにここは興味深いですが、特定処遇改善加算を算定した事業所が55.5%です。内訳は社会福祉法人が84.0%となっている一方、民間企業が48.4%止まりとなっています。この理由は、認知されていないか、手続きの複雑さなのか、様々なことが考えれます。しかし、算定できる状況ではあるにも関わらず手続きにいたらないということであれば、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
ここで緊急事態宣言が明けることとなりますが、コロナ禍において、感染対策をしながらの面会、施設内のイベントの運営、職員自身の健康管理をしながら、介護サービスを利用される利用者様のケアを行ってきたことと思います。本当にお疲れ様です。
完全にコロナから脱することはまだまだできないかもしれませんが、コロナ禍において感じたことは人と人とのつながりの大切さです。ぜひ皆さんにお会いできることを楽しみにしています。(参考:厚生労働省、労働新聞)
令和3年9月30日 ふくおか社会保険労務士事務所 代表 特定社会保険労務士 福岡 秀行
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